2025/11/8投稿 真空成型を試す

 

初代セクストレイサーの筐体は3DプリンターのPLAで作っていたのですが、量産スピードとコストの面で問題がありました。

 

①3Dプリンター1台につき、3日で1筐体程度しか作れない。

②フィラメント代がそこそこかかる。

③印刷失敗が多い。

④成功してもムラがある。

⑤3Dプリンターの不調、故障がまあまあの頻度で発生する。

 

そこで、筐体は真空成型で量産し、細かい部分を3Dプリンターで作成しようと考えました。

用意した真空成型機は「コンパクトデスクトップ真空成型機 Vaquform DT2」

成形エリア 280 mm x 200 mm 最大深さドロー 200mmと、セクストレイサーの筐体を作るにはちょうどいい大きさです。

素材となるシートは最大3mmまで対応しています。セクストレイサーに求められる強度を考えるとシート厚は2mm以上が望ましいでしょう。ただ、厚いとシートそのものが高価になります。それ以前に2mmより厚いものは入手自体が困難な印象です。

 

さて、色々試した結果は以下の通り。

 

  シート
名称
シート
素材
シート
温度 結果
(型)
結果
(成型)
Case1 ASA Vaquform用樹脂フィルム HIPS 0.5mm 160℃
Case2 ASA タミヤプラバンPLAPLATE B4サイズ PS 2mm 160℃ 溶けた
Case3 耐熱PLA ダイソーPPシートソリッドカラー PP 1.4mm 165℃ - ×
Case4 耐熱PLA ダイソーPPシート乳白色 PP 2mm 175℃ やや溶けた ×
Case5 耐熱PLA Vaquform用樹脂フィルム HIPS 0.5mmを4枚重ね 160℃ 溶けた ×

 

Case1は当然のように成功。ただ、0.5mmだと薄すぎるのでもう少し強度が欲しいところ。

 

Case2も成功。但し3Dプリンターで作成したASAが溶けて形が変形・・・ASAは耐熱100℃なので当然といえば当然か・・・

 

 

 

そこでCase3。耐熱PLAで型を作成し、さらに素材はダイソーのPPシートを使用。

 

 

これが使えれば大幅コストカットになるので期待大・・・だったのですが大失敗。溶け方にムラがあるのかシートがうまく伸びず。型にかぶせた時点で破損。型は溶けなかったですが、そもそもかぶさっていないですからね。

 

もう少し温度を上げればうまくいくか?と思って試したCase4。Case3よりは伸びてくれたものの、固まるのが早いのか型に吸着せず失敗。厚みも均一にならず乳白色も半端に消えて透明になりで、多少温度設定を工夫しても駄目そうです。残念。

 

そこで、まあうまくいかないだろうなと思いつつもCase5。薄い素材を複数枚セットする荒わざ。しかしこれも綺麗にはいかず。シート間に空気が入ってしまう。それに加えて、おそらくヒーターに一番近いシートの温度が上がりすぎているのでしょう。煙が上がっており、耐熱PLAの型も思いっきり溶けて変形してしまいました。

 

 

今のところ一番有望なのはCase2。次は耐熱PLA+タミヤプラバンPLAPLATE B4サイズを試してみましょう。加えて、他に入手性の良い素材がないか、探してみることにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年11月08日