毎度お世話になっております。セクストレイス開発室です。
今回は商品開発のために3Dプリンター(Raise3D E2)の0.8mmノズルを試したのでその備忘録を兼ねて記事にしました。
まず、現行の3Dプリンターというのは、おおむね0.4mmノズルが主流です。ではこれを0.8mmにすると何がいいかというと、印刷時間が短くなる、これが大きい。
もちろん形状によりますが、9時間かかるパーツの印刷が5時間強になりました。
しかしもちろんメリットばかりではなく・・・当たり前ながら面の印刷が荒くなります。(高さ方面は射出量次第なので、ノズルが大きくなってもそこまで荒くはなりません)
実際どんなものか試してみました。
◆気になった点
・サポート材が剝がれにくい
結構致命的なほどはがしにくいです。以下の写真の通り、サポート材を引き剝がそうとしても部品とサポート座位の接着面が部品側に残ってしまいます。0.4mmノズルの二倍の面積で部品とくっついてしまうので、こうなってしまうのでしょう。
そして無理やり引き剥がすと、汚くなってしまいます。
特にパーツを組み付ける部分にサポートが残ると厄介で、このままだとパーツがはまらないので後処理が必要になってしまいます。
◆良かった点
・印刷時間が短い
これがすごく大きいです。約半分というのは大きな魅力です。
・面方向も思ったよりはきれい
ねじ穴もやや楕円になっている個所はありましたが、タッピングネジ前提であれば問題なさそうです。
エンブレムもややがたがたになっていたり、線内に隙間ができていますがノズルが倍になった割には思ったより崩れませんでした。
とはいえ問題もあって、
おそらく層の開始、終了部分だと思うのですが、埋め切れていないことがあります。ただこの辺は設定で改善できると思います。
・高さ方向は、やはりきれい
やはり高さ方向は綺麗です。といっても0.4mmには劣ります。丸穴を横にあける造形だったのですが、やや楕円になってしまいました。出力したフィラメントが固まる前に自身の重さで垂れてきているのだと思います。
◆結論
造形物の形状・特性次第かなと思います。特にサポート材が広い面積で部品とつながる場合には要注意でした。Raise3D E2なら印刷ヘッダが二つあるので、サポート部分のみ0.4mmノズルで印刷という手もありそうですが、あまり複雑な動作はさせたくないですし・・・
一方で印刷時間の短縮は大きな魅力です。場所によって使い分けていこうと思います。
(あくまでも個人の感想であり、何かを保証するものではありません)
今後ともセクストレイスをよろしくお願いします。